後継者という特異な立場は誰も理解してくれない。だから同世代の後継者の会を立ち上げてみた。#007


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後継者として入社し今に至るまで

僕は2010年に入社し、丸6年が経過した。今年の4月で7年目を迎える。最初の3年間は自分の足元を固めねばと遮二無二営業した。入社当時、お前は自分で何とかしろ!という社長の方針もあり、全て自分で考えて行動し新規事業を開拓を命じられる。入社した段階でテレアポや飛び込み営業すらしたことなく、本当に手探り状態だった。(今はテレアポ、飛び込み営業は大好きというか大好物である。)

当時は顧客を自分で見つけるためにテレアポと飛び込み営業をしたが、何をどうやって売ればいいのか分からず右往左往。8ヶ月近く営業成績はゼロ更新。土地を耕し、種を蒔き、水をやれば必ず芽がでる。それを信じて歯を食いしばりながら何とか頑張った。少しずつ営業ってこういうもんなんかな?と理解出来る様になるまでには入社から丸1年近く経過した後の出来事。

そこからは、水を得た魚のように動きまわり、営業が楽しくて仕方なかった。テレアポの成功率を高めるためトークスクリプトを作成して、どういう間で、どういう話し方をすればいいかを試行錯誤し平均して20%位のアポは獲得出来るようになった。そのお陰で営業には自信がある。

去年までは…

後継者としての「覚悟」は出来ているか?

一転して、去年は二度と経験をしたくない辛い状況を味わった。

社長とことごとく衝突し、仕事が楽しくなくなり、会社を辞めたいという思いが何度も頭をよぎった。社長に会社を辞めたいと何度も直談判した。でも了承されるわけがない。自分が好き好んで後継者として産まれたわけじゃない。何でこんな後継者という辛い立場に産まれたのか、自分自身を呪った。そうすると、段々と精神状態が悪化していった。自殺しよう。自殺すれば全てが無になって楽になる。何度か真剣に考えた。そんな折、祖母から祖父の話を聞かされた。僕が産まれた時、祖父は「待望の長男が産まれた」「後継ぎが出来た」と嬉しそうに周囲の人に話していたそう。祖母には会社を辞めたいこと、自殺したいと思っていることを話していない。何かを察したのかもしれない。それから自殺したいと考える度に、祖父の顔が思い浮かんだ。自分に期待してくれている人を裏切れないという感情が僕の頭を支配する。

それでも状況は好転しない。やっぱり会社を辞めよう。社長に再度伝えた。今まで以上に僕の鬼気迫る雰囲気を感じたのか止められなかった。ようやく会社を、後継者という立場を辞められる。そう思った矢先に社長から言われた。「後継者という立場を放り出し、会社を辞めるなら親子の縁を切る」と。また祖父の顔が思い浮かんだ。僕が産まれた時、あんな嬉しそうだった祖父に悲しい思いをさせるのか。答えは「NO」だった。

僕は入社6年めにしてようやく「覚悟」ができた。ブレない「後継者としての覚悟」を。

去年の経験が僕の後継者としてのターニング・ポイントになった。

周囲から後継者という特異な立場は理解してもらえない

ようやく「覚悟」ができたが、一方で周囲から後継者という特異な立場は理解してもらえない。

入社して営業成績が出ない間は、社長の息子、親の七光り、でも営業としては使い物にならないと周囲から思われていると勝手に思い込んで自分自身で従業員との壁を作っていた。従業員とコミュニケーションがとれてからも、やはり特異な立場は理解してもらえない。よくよく考えれば理解されるわけない。僕には「同世代の後継者の仲間」がいなかった。

いないなら自分で「後継者の仲間」を集めよう。業種業態は違えど、後継者の立場で出来る役割、相談ができる「後継者の仲間」を集めよう。お互いに切磋琢磨できる「後継者の仲間」を集めよう。

ということで今年になって、一燈会(一燈照隅・萬燈遍照より命名)という後継者の会を立ち上げてみた。現時点で後継(予定)者14名。心強い仲間が僕には出来た。切磋琢磨できる同志ができた。

企業性依存率から考える長寿企業の条件

企業生存率は以下の通り。

5年以上継続:82%
10年以上継続:70%
20年以上継続:52%
30年以上継続:47%
50年以上継続:16%
100年以上継続:3.5%
200年以上継続:0.1%

後継者の会の参加者は創業50年〜創業360年超。代でいうと3代目〜14代目まで様々(弊社で創業114年、僕で4代目)後継者の仲間の会社は激しい競争に勝ち抜いてきた化け物だった。明治維新、日清戦争、日露戦争、第1次世界大戦、第2次世界大戦、バブル崩壊、リーマン・ショックなど。

50年以内に84%が淘汰される現状がありながら、幾多の困難を乗り越えつつ50年以上続く企業の条件って何だろうと考えてみた。

・企業は拡大するより続ける事が難しい(2世代以上の継承)
・変革し続ける企業だけが生き残る
・社長は企業を成長発展させ、良い状態にして次の世代へ繋げる役割
・理念が明確で代々引き継がれている
・本業をおろそかにしない、かつ時代の変化に合わせる柔軟性がある
・短期的な利益ばかり追求しない(=サスティナブル、CSR)

変わらないものは、「企業理念」「のれん」。変え続けるものは、「事業内容」「販売方法」「顧客」。永続的に発展するには核として変化させてはいけない部分と常に変化し続けなければいけない部分の双方が必要で、後継者は「変わらないもの」「変え続けるもの変えなくてはならないもの)」ってのは常に意識しつつ行動しないといけない。

「後継者の覚悟」を持って、僕は前進し続ける。

BON VOYAGE!

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【言葉の栄養】vol.007

誰にも負けない努力をする。(稲盛和夫)

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